ロマーン・ヤコブソン

 ロマーン・ヤコブソンは、元々は言語学者でしたが、多くの学問分野を横断した人物です。
 言語学、詩学などの分野における構造分析の開拓、発展に寄与しました。
 ロシア・フォルマリズムにも関わっており、その後はプラハの言語学サークルに参加しました。言語学を構造主義的な方向に導いていきました。

ロシア・フォルマリズム

 ロシア・フォルマリズムとは、ヤコブソンとその仲間たちによって起こされた文学運動をいいます。
 これは、文学を道徳や社会問題から切り離して、文学それ自体を見つめようとする運動でした。
 ロシア・フォルマリズムでは、文学性を言語の詩的機能や異化作用によって特徴づけました。
 この運動は、構造主義やニュークリティシズムに影響を与える一方、スターリン政権からは政治的弾圧を受けました。

音韻論

 ヤコブソンは音韻論によって音韻と音声を区別しました。
 音韻とは、言語によって決まった音のことをいいます。これは自然現象としての声である音声とは区別されます。例えば英語では「rice」と「lice」は区別されますが、日本語ではRとLは区別されずどちらも「ライス」です。ヤコブソンは、音韻は言語の意味と同じく差異の体系に含まれるものとしました。

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