C.G.ユングが「タイプ論」で提唱した4つの心的機能の一つである感情機能のうちの、内向的な態度を指します。
このタイプの人の特徴
内向的直感型の人も内向感覚型の人と同じで理解されがたく、外界に適応しがたい人です。自分の内界の中に可能性を求めて、心像の世界を歩きまわっているひとが、それを他人に伝えるのに困難を感じるのも、もっともなことです。
この人は外界の事象にはひどく無関心で、すべてのひとが最近に起こった事件を問題にして話し合っているときに「あっ、そんなことがあったかな」とつぶやいたりします。ともかく不可解で非生産的であり、このため、他人の支配下に置かれている場合も多いです。外界から見る限り、無関心、自信のなさ、不可解と当惑などがみられるのみなので、周囲の人から過小評価をされるのも無理ありません。
しかし、このタイプの人が、自分の得たものを外に表現する手段を見つけた場合(思考や感情を補助として使用する場合が多い)、独創的な芸術家、思想家、宗教家などとして、輝かしい成功をおさめます。
あるいは、その直感があまりに鋭い場合は、同時代の人々に見捨てられ、次の時代の人に拍手される運命を背負います。
反対のタイプ(外向的感覚型)を抑圧しすぎた場合
内向的直感型の反対のタイプは外向的感覚型です。外向的感覚型は、外の世界から五感を通して得た刺激を知覚するのに秀でたタイプです。
内向的直感型の人は、自分の内部の一種の独創性に悩まされています。自分の内部にある可能性は、外向直感型の人が知覚するような外界の刺激とは正反対の性質を持っています。というのも自分の内部にある可能性なんて、ちょっとやそっとじゃ他人と共有できるものではありません。内向的直感型の人は、外向的感覚型の人が得意な「他者と感覚を共有する」ということが不得手です。
こうなってくると自分の内部にある可能性は、現実生活を送る上で不都合なものにしかなりません。その結果、本来の自分の持ち味を無視し、無理に機械的・実際的なことをやろうとして内的な摩擦のため神経症が生じてきます。