認知行動療法の治療技法の一つです。
認知行動療法の開拓者の1人であるD.H.マケインバウムによって提唱されました。
彼は、生物学における免疫の概念をストレス・モデルに取り入れ、ストレス免疫訓練を開発しました。
ストレスへの対処法を学び、ストレスへの免疫を増強させる技法です。
基本仮説
クライエントをあらかじめ弱いストレスに被治療者をさらすことで、その状況を乗り越えれば、次に少し強いストレスに遭遇しても対処できるであろうというのが基本仮説となります。
実際の訓練
訓練は3段階に分けられます。
①教育的段階
治療者と被治療者がストレス問題について共通理解を得ることを目的とします。
ストレス反応が発生する過程が簡単な言葉で説明されます。
②リハーサル段階
ストレス対処スキルの獲得を目標とします。
具体的な内容としては、
- ストレスに関する知識を増やして思い込みやあきらめを少なくする
- 逃げ道を準備してストレスに直面する恐怖心を低減させる
- 身体的リラクセーションによって生理的覚醒を低下させる
- 認知的対処スキルとして「ストレッサーに備えているとき」「対決のとき」「打ちのめされたとき」「自己強化のとき」に用いる自己陳述を用意しリハーサルを行う。
③実際にストレス場面で使う
学習した対処スキルを実際のストレス場面で使ってみます。
ストレスにさらされた状況で、対処スキルを使うのです。クライエントにとって効果のあるストレス対処方法を被治療者が明らかにしていきます。