自己教示法 (self-instruction)

 認知的技法の1つです。
 D.H.マケインバウムによって開発されました。
 自らの言葉で自分自身に教示を与えることにより、それが刺激となって自分の行動を変容させる方法です。

方法

 自分で自分に説得的に言い聞かせます。
 言い聞かせる内容の例として、

  • 自分の習得したい考え方(認知傾向)
  • 自分が確立したい行動習慣

 が挙げられます。
 実際に声に出して言い聞かせるのも方法の一つですし、心の中で内言(内面的な言葉)として言い聞かせても構いません。
 この技法のポイントは二つあります。
 一つ目は、具体的な行動内容・認知傾向の方法(やり方)をイメージし、自分で自分にしっかりと言い聞かせることです。
 二つ目は、実際にこのトレーニングで『肯定的・改善的な自己変容』が見られた場合、何らかの報酬や賞賛で行動を強化することです。これにより更に自己変容の速度が速まっていきます。

原理

 自分で自分に語りかけるセルフ・トークの心理臨床的な応用技法です。
 自己教示トレーニングは、言い換えれば古典的な『自己暗示・自己催眠』のやり方の一つなのです。
 自己概念の循環効果(日常で繰り返し自分に言い聞かせているメッセージが実際に現実化しやすくなる現象)を応用したものです。

効果

 特に子どもの衝動性のコントロールに有効であることが示されています。
 一方で、内面的な苦しみや過去のトラウマ(心的外傷)などの問題にはあまり効果が見られないとされます。

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