IP (Identified Patient)

 家族療法で使われる言葉です。
 IPとは「患者と見なされる人」という意味です。他の心理療法では「患者」や「クライエント」とよばれる被治療者に相当します。

IPという言葉を使う理由

 家族療法では、不適応行動や症状をみせている個人をIPとよびます。「患者」や「クライエント」と呼ばずに、IPとよぶのには家族療法の考え方に理由があります。
 家族療法では、不適応行動や症状が現れる原因は、その個人にあるのではなく、家族システムに問題があると考えます。つまり、個人の不適応行動や症状は、その個人だけでなく家族全体のSOSの現れであるとみなすのです。なので、IPとは家族全体の不健康さや歪みを代表する人物であって、「患者」や「クライエント」とはみなさないのです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする