下位システムとは、全体システムに対しての部分的なシステムにあたるものです。
家族で例えると、「家族」という全体は「夫婦」や「兄弟」といった部分が集まってできています。下位システムとは「家族」に対しての「夫婦」や「兄弟」にあたるものです。
一般システム論
下位システムの概念は、一般システム論に由来します。一般システム論は、部分の全体への編成の一般理論です。
家族療法家は、種々の下位システムに分化して成り立ている家族を、一つのシステムとして検討します。
家族療法家の考え方では、家族は、下位システムとして機能する各個人やさまざまな個人の集まりによって形成されています。
個人は、家族の単独の下位システムです。また個人と個人の結びつきによって、両親、夫婦、子ども下位システムが形成されます。さらには父子、母子といった下位システムも形成されます。
下位システムは、世代・性・関心の持ち方や機能の有り方などによって区別され成り立っています。いうなれば、各個人はいろいろな役割を持ち、独特の相互交流を家族内で遂行するのです。
例えば、男性は夫・父親・兄弟・息子の役割をそれぞれの下位システムのなかで果たしていると言えます。あるいは、女性は妻・母親・姉妹・娘の役割をそれぞれの下位システムのなかで果たしていると言えます。