パラドックス技法

 家族療法において、介入のための技法です。
 M.H.エイクソンらが創始した戦略的アプローチにおいて使われています。
 治療者が家族の1人に問題を関連する行動を逆転させ、それによって他の家族員の逆説的反応を引き出すことを狙う技法です。
 たとえば、IPが呈している問題について、家族が解決のために働きかけていることが悪循環の一端を担っている場合、セラピストがその問題行動を維持あるいは強化するように指示します。これにより、悪循環を断とうとするものです。

パラドックス技法のステップ

 パラドックス技法は以下の3つのステップに分けられます。
 最初のステップとして、治療的働きかけに対する家族エネルギーの変化を変化へのエネルギーに転換させる症状処方です。つまり問題行動を維持あるいは、強化するように指示します。これにより、悪循環を断とうとするのです。
 多くの場合、問題行動を意図的に維持・強化するのは難しいものです。例として、興奮している状態で「さらに興奮しろ」と言われて、実際に更に興奮するのが難しいなどが挙げられます。
 次のステップとして、症状が急速に変化した場合の抑制的指示を与えます。
 最後のステップとして、進むべき新たな方向を指し示す再位置付けを行います。

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