依存性パーソナリティ障害 (dependent personality disorder)

 依存性パーソナリティ障害とは、C群パーソナリティ障害の1つで、面倒を見てもらいという過剰な欲求があり、そのために従属的でしがみつく行動を取ることを特徴とします。
 自分の意志で決定するということが苦手で、些細な決定も友人やパートナーに頼ります。人に嫌われるのを恐れ、自分を抑え自己主張ができません。
 依存性パーソナリティ障害には2つのタイプがあり、1つ目は自分では何もできない赤ん坊のようなタイプです。何から何まで親やパートナーに頼らなければ生きられません。
 もう1つのタイプは過度に相手に尽くすタイプです。日常生活には問題がありませんが、主体性やリーダーシップを求められると途端に困惑します。

DSM-Ⅳ-TRでの診断項目

 以下の8つの基準のうち、5つ以上が当てはまる。
(1)日常のことでも、人からあり余るほどのアドバイスと承認や保証をもらわなければ決められない。
(2)自分の生活上の重要なほとんどの領域で他者に責任を持ってもらいたがる。
(3)人の支持を失うのが怖くて、人の意見に反対できない(ただし懲罰に関する現実的な恐怖は含めない)。
(4)自分の判断力や能力に自信がないために、自分自身の考えで計画を始めたり、物事を行うことができない。
(5)人から愛情や支持を得るために、不快なことまで自ら進んで行い、やりすぎる。
(6)自分で自分の面倒は見れないと考えており、一人になると不安や無気力を覚える。
(7)親しい関係が終わった時に、自分を世話し支えてくれる別の関係を必死に求める。
(8)自分が一人残されて、自分の面倒を見てもらえくなるという恐怖に、非現実的なまでにとらわれている。

原因と背景

 依存性パーソナリティ障害の人は親に支配され育った人が多いです。親に服従するときだけ良い子と認められてもらうような状況で育っていることが典型的です。
 自立を促すべき時期になっても保護しつづけ、本人がやるべきことも保護者が代わりにやり続けると本人に自立心が芽生えません。また、親が虚弱だったりアルコール依存症や、精神的に不安定だったりし、親の状態や気分に振り回され、顔色を窺いながら育った人にもよく見られます。

対応・サポートの方法

 依存性パーソナリティ障害の人と接する際に重要なのは、彼らの代理人にならないことです。依存性パーソナリティ障害の人は、他人に判断を求めたり、決定をゆだねようとします。しかし、そこで彼らの代理人になってしまってはますます彼らの依存性を高めることになります。こうした傾向に気付いたときは、できるだけ早い段階で失敗してもいいから自分で判断し決定するように仕向けることが重要です。
 また依存性パーソナリティ障害の人はすぐに答えを求めたがる傾向があります。しかし、そこですぐに答えを提示すると結局、何か困ったことがあるとすぐに答えを他人に頼る傾向を強めます。あえて答えを言わないことが本人を鍛えていくことに繋がるのです。
 依存性パーソナリティ障害の人は、自分の気持ちを言って、それが相手の意見と異なっていたら自分が嫌われてしまうのではないかと恐れています。よって、こちらの意見と違う意見を言えたときは、特に誉めてあげると効果的です。

治療・克服の方法

 依存性パーソナリティ障害を克服しようとした場合、まず行うべきことは失敗してもいいから自分で決めるということです。依存性パーソナリティ障害の人は、幼い頃に親から自分の意見を否定されたり、笑われてしまって自信を失っています。自信を取り戻すには、自ら選択し、決定していくプロセスを繰り返すしかありません。
 成熟した依存性パーソナリティの傾向を持つ人は、重大な決定に際しては周囲に意見や助言を求めますが、最終的には自分で決断します。大切な人には好ましく振舞うことができますが、相手の顔色を窺いすぎたり、自分の本心をねじ曲げてまで相手に合わせたりはしません。相手を傷つけないように配慮しつつも、必要ならば相手の意見にノーと言えるものです。

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