NLPにおけるフィルターとは、その人が持つ価値観や信念のことをいいます。人間は自らの体験に関してフィルターを通して解釈するものであり、必ずしも現実のものに即しているとは限りません。
例えば、人が二人いて同じような体験をしているはずなのに、反応や解釈が大きく異なっていたり、あるいはそのことに関する会話がかみ合わない場合があります。
人はある出来事を認識するときに、自分独自のフィルターを通しています。
出来事はフィルターを通して加工され、その上で「地図(脳内マップ)」が出来上がります。
人が反応するのは、出来事そのものではなく脳内マップに対してです。
地図(脳内マップ)
NLPにおける地図(脳内マップ)とは、フィルターを通して得られた情報を元に脳内で形作られた認識の総体のことをいいます。
人間はそれぞれ脳内に固有の地図を持っているといえます。人間が何を考えてどう行動するかは、地図を基準に行われます。
他者と会話がかみ合わないときは、お互いが持っている地図が大きく異なっている場合が少なくありません。
同じ現実を前にしても感じ方や考え方が違うのは当然です。
相手の地図を理解すれば、コミュニケーションの改善を図ることができます。
相手に敬意をもって接するとは?
「良好なコミュニケーションに欠かせないのは相手に敬意をもって接することだ」というのは、よく聞く言い回しです。
しかし、この言い回しだけでは「そもそも敬意をもって接するとはどういうことか?」という説明がなされていません。
NLPでは、相手を尊重するとは「相手の脳内マップを尊重する」ということになります。
人間がそれぞれもっている脳内マップですが、現実に溢れている大量の情報の一部でしかありません。その情報はその人の信念や価値観、認知というフィルターを通して得たものです。である以上は脳内マップが個々人で違っていて当たり前です。
仮に話が合わないでも、相手の人間性が悪いわけではなく、脳内マップの違いによる部分がほとんどです。
良好なコミュニケーションは、相手の脳内マップを尊重するところからはじまるのです。