ペリアンドロス

 ペリアンドロスは、キュプセロスの子でコリントス人であり、ヘラクレスの子孫の家系に属していたと伝えられる人物です。ギリシアの七賢人に数えられる人物ですが、プラトンは彼ではなくミュソンを挙げているので、必ずしも見解は統一されていません。
 ペリアンドロスはリュシデを妻としましたが、彼はその妻をメリッサと呼んでいました。彼女の父は、エピダウロスの僭主プロクレスで、母はアリストクラテスの娘でありアリストデモスの妹のエリステネイアでした。ポントスのヘラクレイデスは『統治論』の中で、この母方の父と兄はアルカディアのほぼ全体を支配していたと述べています。

ペリアンドロスの逸話

 ペリアンドロスには、人間的に残酷非道な逸話が残されています。それゆえ賢人と言い難いのかもしれません。
 例えば、こんな逸話があります。
 ある日、妊娠中の妻リュシデがペリアンドロスを愚弄している、という噂や中傷を側室が流しました。それを真実と信じたペリアンドロスはリュシデを殺害してしまいます。後になって、側室の誹謗中傷だと知ったペリアンドロスは、その側室達も全員焼き殺してしまったそうです。
 ただし、ペリアンドロスの残存している断片的な言葉からは、彼の思慮深い態度や賢明な判断力が伺えます。また、彼はコリントスで初めて僭主制を確立したという実務的な優越性も持ち合わせています。それゆえに、彼が古代ギリシアの七賢人に数えられているのかもしれません。

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