タイプ論 (Psychological Types)

 タイプ論とはC.G.ユングによって提唱された理論です。
 タイプとは一群の人々や、性格の多くの人々に共通する性格を特徴的に再現する類例あるいは範型です。
 ユングは人間の性格傾向を見るにあたり、2つの意識的態度と、4つの心理的機能を提唱しました。
 2つの意識的態度には「外向」「内向」があります。
 4つの心理的機能には「思考」「感情」「感覚」「直感」があります。

タイプ分類の意義

 タイプをわけることは、ある個人の人格を知る上の座標軸の設定であると言えます。つまり、大まかなあたりをつけるための理論であって、個人を分類するための分類箱を設定することではありません。
 タイプ論の本を初めて読んだ人がおかしやすい誤りは、すぐに人間をA型とかB型とかに決めつけてしまうことです。こうなると個々の人間は分類箱にピンで留められた昆虫の標本のように動きを失ってしまいます。
 実際に「完全に内向」とか「完全に外向」とかいった人は(少なくとも正常者においては)存在しません。内向的な人でも外向的な面を持っていますし、その逆も然りです。
 タイプを一つの座標軸と考えると、軸上の極端な位置に存在したり、そこにずっと静止する人は稀です。軸からのずれや、軸を一つの基点としてその動きを追跡することによって、個人の特性をはかる方が遥かに実際的といえます。

優越機能と劣等機能

 意識的態度である「内向―外向」、心理的機能である「思考―感情」、「直感―感覚」はそれぞれ対になっています。
 例えば普段、内向的な人は外向的なこと(周囲の人に溶け込む、合わせるなど)が不得手です。逆に内向的なこと(自らを内省する、自分の意見を貫くなど)は得意です。
 自身の意識的態度や心理的機能で得意な面や普段それとなく使用している面を「優越機能」といいます。逆に、苦手な面や普段使っていない面を「劣等機能」といいます。

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