ティモン

 ティモンは古代ギリシャの哲学者で、フリウスの出身者だった人物です。彼はまた懐疑派の一人でもあり、ピュロンの弟子でした。
 著作としては、『風刺詩』『感覚について』などを残しました。
 ティモンはギリシャ人が認めた唯一の推論である演繹的推論を論難したことで知られています。すべての演繹的推論は自明とされる一般的な原理(大前提)から始める必要があります。しかし、ティモンはそのような一般的な原理というものの可能性を否定しました。
 ティモンはどのような事柄も、他の何かで証明されなければならないとしました。つまり彼は、すべての人にとって共通な普遍的かつ客観的な前提などないとしたのです。
 それゆえに、何かを議論する際には、その前提となる事柄に関して、定義をしておく必要があることになります。
 これがティモンの懐疑主義に基づく学問的な態度でした。ティモンの考え方によれば、あらゆる論証を循環論の袋小路に追いやられることになります。

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