ヴァルター・ベンヤミン

 ヴァルター・ベンヤミンは、ドイツ出身の文芸評論家・哲学者だった人物です。マルクス主義、フロイトの精神分析理論などを基に哲学を研究したフランクフルト学派の一人です。
 著作には『暴力批判論』『複製技術時代の芸術』などがあります。

アウラ

 アウラとは、ベンヤミンが著書『複製技術時代の芸術作品』などで使用した概念です。複製品でない芸術作品(つまりオリジナル)が「いま、ここ」にのみ存在する根拠となる権威をいいます。
 アウラは芸術家が作品を創造したときにしか存在しえないものです。複製技術による量産品がアウラの宿った作品を真似しても、アウラが宿ることはありません。
 ベンヤミンは、アウラの喪失という観点から現代芸術を捉えました。写真や複製技術時代の芸術作品においてはアウラが凋落すると指摘しています。ただし、彼はアウラの凋落を悲観していたわけではありません。映画や写真など非アウラ的芸術により、より多くの人々が鑑賞や表現という可能性を見出していました。

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