ギルバート・ライル

 ギルバート・ライルは、イギリスの哲学者・論理学者です。日常的な言語表現の曖昧さや混乱を取り除くことを目的とする日常言語学派の一人です。
 著作には『心の概念』などがあります。

機械の中の幽霊

「機械の中の幽霊」とは、ライルは著書『心の概念』の中で、デカルトの心身二元論を批判した言葉をいいます。ライルはデカルトの考え方を、人が肉体という機械の中に、精神という幽霊をもっているかのように考えるのは間違いであるとしました。

カテゴリーの錯誤

 カテゴリーの錯誤とは、意味論的あるいは存在論的な誤りのことで、ある対象に固有の属性を、その属性を持つことのできないものに帰すことをいいます。例えば、大学というものを初めて訪れて、教室、事務室、研究室などを案内された人が「ところで大学というものはどこにあるのか?」と訪ねたとします。この人物の場合、大学というものが教室や研究室などをまとめたものが大学であると理解していません。これがカテゴリーの錯誤です。
 ライルは、デカルトの心身二元論も、心と身体という語のカテゴリーを同一と考えたために発生した偽の哲学命題であるとしました。

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