ジャック・デリダ

 ジャック・デリダは、フランスの哲学者です。伝統的な西洋哲学を土台から打ち壊す脱構築という方法論で、既存の哲学全体を批判したことで有名です。
 主な著作には『他の岬』『弔鐘』などがあります。

脱構築

 デリダの仕事において脱構築とは、近代西欧的な形而上学における二項対立の構造を解明し、形而上学を再構成しようという試みをいいます。
 例えば、プラトンのイデア論によれば、まずイデアがありそこから個物が生じるとされます。これは「イデア/個物」の二項対立といえます。ところが、この場合、実際に経験し確かめることができるのは個物だけです。イデアは個物と反対の特徴を持つものとしてしか規定されていませんでした。つまり、イデアが個物を生み出すといっても、実際は個物がなければイデアが何なのかはわかりません。個物などの説明できる事柄によって、本質などの哲学の原理が作られることを脱構築では暴きます。
 哲学の前提にはヨーロッパを世界の中心とする「ヨーロッパ中心主義」などもあります。これを批判するデリダの思想はオリエンタリズム批判にも影響を与えました。

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