原始キリスト教とは、最初期のキリスト教をいいます。キリスト教は元々、ユダヤ教徒だったイエス・キリストが当時のユダヤ教を批判したことが発端となります。イエスはすべての人を救う神の意志を説きました。その後、イエスの教えを受けた弟子たちによって、世界中に広がっていきます。
原始キリスト教は、イエスの死後(西暦30年頃)から復活信仰のもとに発展しました。これにより、イエスの直弟子であるパウロなどの使徒たちがユダヤ、ガリラヤにおいて宣教活動を始めました。西暦150頃になると、新約聖書の主要な文書が成立します。ここまでの時代のキリスト教が原始キリスト教と呼ばれます。
原始キリスト教団と聖霊降臨
原始キリスト教団とは、初代の教会を構成した信徒たちの集団をいいます。キリスト教における教会とは、信徒の集まりのことを指します。
イエスが十字架にかけられて昇天してから40日経た五旬節というユダヤ教の祭りの日、初代教会はエルサレムに誕生しました。
その日、イエスの弟子たちはエルサレムにある家に集まっていました。すると聖霊(神の霊)が降りました。すると弟子たちは、世界中のあらゆる国の言葉で神の偉大な業を語りだしたといいます。この出来事を聖霊降臨といいます。聖霊降臨は、キリスト教の誕生の象徴的な出来事とされます。
宣教活動の拡大
キリスト教の初代教会のうち一部のグループの者は、ユダヤ教からの迫害を受けて、エルサレムを離れていきました。このグループは福音というキリスト教の教えを携えて各地で宣教を行いました。このときの宣教者として代表的な人物には、十二使徒であるペトロや、迫害者から信者になったパウロなどがいます。彼らの活動の末、キリスト教はついに帝都ローマにまで届きました。