ロジャー・ベーコン

 ロジャー・ベーコンは、イギリスに生まれ、オックスフォードでロバート・グロステストに師事しました。1240年頃からパリ大学でアリストテレスについて講義しました。やがてフランシスコ会に入会し、アウグスティヌス的神学の伝統を継承しつつ、新しいアリストテレス哲学を旺盛に取り込み、学問全体の革新を目指しました。
 著作には『光学』『大著作』などがあります。

ロジャー・ベーコンの思想

 ベーコンはアリストテレスの学問論を承けつつ、それを超えて近代科学理論につながるような新しい経験論的といえる方向性を見出しています。著書『光学』は、その後の西洋中世の自然科学的考察だけではなく、16世紀に天体の運行法則を理論化したケプラーにまで影響を与えたといいます。
 また、彼は『大著作』第二部や他の著作の中で、神学が他の諸学問に対して支配的な地位を占めることを強調しました。更にアウグスティヌス的な伝統によってアリストテレスを相対化しました。

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