ピコ・デラ・ミランドラは、北イタリアの小都市ミランドラの領主の息子として生まれた人物です。
彼は信仰と並んで人間が普通にもつ感情や欲求を認めていこうという人文主義(フマニズム)を代表する人物です。
アリストテレスやスコラ派などの様々な哲学を比較研究しました。その結果、独自の宇宙観や人間観を唱えました。彼は人間の尊厳は自由にあるとしましたが、当時の教会からはそれは異端であると反感を買いました。
ミランドラの説いた人間の尊厳
ミランドラは、自分の進むべき道を自由に選べることが人間の尊厳であるとしました。
ミランドラによれば、神は人間に才能も場所も与えておらず、それゆえに鳥の翼や魚のひれのようなものを持ちません。その代わりに、人間は神から自由を与えられたといいます。それゆえに場所も才能も、人間自らが望み、獲得すればよいということになります。
この考えは「神から」自由を授かったという点が神学的な世界観を帯びているものの、人間の独自性・主体性が説かれています。