アベラールはラテン名でアベラルドゥスともいいます。
彼はシャルトルのティエリの下で四科を学び、ロスケリヌスに弁証論を学び、さらにパリのシャンポーのギヨームに学びました。しかし、当時極端な実在論を唱えていたギヨームと衝突し、激論を戦わせることとなりました。
代表的な著作には『然りと否』や『最高善の神学』などがあります。
彼はスコラ哲学の普遍論争においての実在論と唯名論の論争を、アリストテレス哲学を用いて調停を行いました。
実在論と唯名論の調停
アベラールは、アリストテレス哲学における形相と質料という考えを受け継ぎ実在論と唯名論の調停を行いました。
アベラールは、すべての物の形相(つまり普遍)は、概念として神の考えの中に存在するとしました。その上で、人間は普遍を知覚できないけれど、質料(つまり個物)の類似性から普遍的概念を学ぶことができると考えました。