アタナシオス

 アタナシオスは、アレクサンドリアの教父であり哲学者だった人物です。正統信仰の父とも呼ばれます。
 三位一体において、父と子と聖霊が一つの性質を持つと主張しました。

同一本質(ホモウーシウス)

 同一本質とは、アタナシオスが唱えた三位一体に関して、父なる神と子なる神の持つ性質は同じであるという説をいいます。
 アタナシオスが同一本質についてを唱えたのは、アリウスの父なる神と子なる神の性質は根本的に違いただ似ているのみ(類似本質)という説に対抗するためでした。
 アタナシオスによる同一本質の考え方は、ニカイア公会議において、正統教理としてニカイア信条に取り入れられます。更に、コンスタンティノポリス公会議において、ニカイア・コンスタンティノポリス信条として確定します。

同一本質という考えの影響

 同一本質という用語は聖書には存在しません。にもかかわらず、ニカイア公会議ではキリスト教の正当な考えとされたわけですから、多くの主教は異を唱えました。しかし、皇帝コンスタンティヌスの強い主張によって採用が決定されます。
 同一本質という聖書にない考えが採用されたことは、神学によって聖書を解釈する道を開くことになりました。

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