リファーとは、対人援助の諸分野において、異なる専門職の間で連携・協力する行為のひとつを指す概念です。
他の適切な専門家に相談者を紹介することです。異業種間で情報交換を行いながらも援助はそれぞれの専門家が独立して行うことをいいます。
リファーが行われる例
リファーは、相談に訪れた相談者に対し、その機関では十分な対応ができない場合に行われます。
例えば、心理相談を受けにきた相談者が、精神病や器質性疾患の可能性がある場合は、臨床心理士よりも医者が診察・治療するのが適切です。
神経症の場合でも、治療者の専門とする心理療法が有効な治療になりえない場合、最も適した心理療法の専門家に紹介します。
また、弁護士などの法律の専門家や、ケースワーカーなどの福祉の専門家にクライエントを紹介することもリファーといえます。
結局リファーとは、自らが提供できない支援を促すものであり、専門家間の紹介や異業種間の連携を意味します。
リファーを行うのに必要なこと
リファーを行うには、まず治療者が自らの能力を知り、どのような支援ができ、どのような支援は自らにできないのかを自覚する必要があります。
また、カウンセリングにおいて質の高いリファーを行うには、他の専門家や医療機関、あるいは行政機関との関係構築が必要となります。