コンサルテーションとは、対人援助の諸分野において、異なる専門職の間で連携・協力する行為のひとつを指す概念です。
一方の専門化が抱える職業上の問題を他方の専門家が援助することです。
援助する側をコンサルタント、援助される側をコンサルティとよびます。
スーパービジョンもコンサルテーションのひとつです。
精神健康コンサルテーションの分類
コンサルテーションの発達に大きく貢献したのはG.キャプランです。
彼は精神健康コンサルテーションの方法として、以下の4つの場合を挙げています
クライエント中心の事例コンサルテーション
クライエントに関する処遇について専門的な立場からコメントする
コンサルティ中心の事例コンサルテーション
焦点づけの対象が事例の処遇に悩んでいるコンサルティ自身の問題に向けられる
プログラム中心の管理コンサルテーション
組織の当面しているプログラムに専門家立場から助言を行う
コンサルティ中心の管理コンサルテーション
その焦点づけの対象が組織の管理者の抱える問題に向けられる
スーパービジョン
心理援助におけるスーパービジョンとは、自分よりも経験のある援助者に自分の行っているケースを継続的に報告し、1対1の指導や教育を受けることをいいます。
スーパービジョンを受ける方をスーパーバイジー、指導する方をスーパーバイザーと呼びます。
スーパービジョンは、不可欠な実践的教育手段といえます。
臨床心理学の知見や各学派の理論と違い、クライエントそれぞれへの対応方法は一般的知識の参照だけでは上手くいきません。そのため、スーパービジョンは一般理論から特定事例への橋渡しともいえます。
スーパービジョンは基本的に1対1の個人指導ですが、以下のような類似の臨床研修の形もあります。
グループ・スーパービジョン
グループ・スーパービジョンとは、スーパーバイザーとスーパーバイジーが1対1でスーパービジョンしている場面を、他の複数のスーパーバイジーが観察する形式のものをいいます。
事例検討会
事例検討会とは、訓練途中の者も含む援助の専門家が集まり、事例の理解やより適切な援助法を検討する場をいいます。事例提供者と呼ばれる1名が担当している事例を発表し、参加者は助言やコメントを行います。