同じテーマを扱った過去の複数の研究を統合するための研究方法をいいます。
たとえば、新しく開発した心理療法の効果を確かめるための研究がいくつか行われたときに、それらを統合して効果に関する結論をまとめる場合などに用いられます。
メタ分析の問題点
メタ分析には「リンゴとオレンジ問題」や「引き出し問題」など様々な問題が指摘されています。
リンゴとオレンジ問題
リンゴもオレンジも一緒にしてそれに何の意味があるのかという意味合いの言葉です。
リンゴとオレンジ問題とは、メタ分析の対象となる研究の広範囲すぎる点についての批判です。
心理療法でいえば、異なる治療法をまとめてもいいのか、ということを意味します。
引き出し問題
引き出し問題とは、論文として公表されていない研究データは、メタ分析に使えないことを批判したものです。
メタ分析を行う際には、効果が出た研究だけではなく、効果の出なかった研究も分析対象にしなけれなりません。そうでなければ複数の効果を統合的に評価したとはいえないからです。
しかし通常は、効果が現れなかった実験・調査は公表されず、「引き出し」にしまわれて日の目を見ません。そのため、刊行された論文などから得られるデータを統合しても、結果が出たものばかりを検証しているにすぎず、偏った結果が出るのではないかと指摘されます。