臨床心理学が専門活動として社会に認められるためには、学問的専門性と社会的専門性を確立することが必要となります。
臨床心理学での活動は、図1に示したとおり、入れ子状になっています。臨床心理学の専門活動を行う上で、学問的専門性の確立だけでは駄目で、それを社会的なものへとつなげていく必要があります。
そのためには、専門組織、教育と訓練、規約と法律や倫理などの制度を確立し、社会に対して説明責任を果たしていく社会的専門性の必要があります。
専門活動としての臨床心理学の発展
近年、臨床心理学は、社会的な専門活動として認知されてきました。社会制度のなかに位置づけられるようになってきました。日本では、進学・受験戦争、不登校、いじめといった問題が多発している教育領域でスクールカウンセラーの必要性が認められたことをきっかけとして、臨床心理学を専門活動として発展させる動きか始まっています。