臨床心理学の全体構造

 下山晴彦によれば、臨床心理学の全体構造は、「実践活動」を核に「研究活動」「専門活動」の3次元から構成されるとされます。
 臨床心理学の歴史の浅い日本では、未だに心理療法やカウンセリングの学派の理論に基づいて臨床心理学を考える傾向が強く残っています。しかし心理療法やカウンセリングの学派は多種多様です。学派単位で臨床心理学を捉えてしまうと統合的な実践活動をするのが困難になります。そのため、臨床心理学が社会の要請に答えていくためには、学派の枠組みを超えた統合的な枠組みで考える必要があります。

臨床心理学の全体構造における3つの次元

実践活動 (practice)

 実践活動は臨床心理学の中核をなす次元です。実践活動においてはアセスメント、心理療法などを通して、現実に介入していきます。
 実践活動は、更に「コミュニケーション」「ケース・マネジメント」「システム・オーガニゼーション」の3つの次元に分けて考えることが有効です。

研究活動 (research)

 研究活動は、現場の実践活動から有効なモデルや理論を構成し、その客観的な有効性を検証する領域です。
 臨床心理学が真の意味で社会の要請に答え、専門活動として社会に根付くためには、研究活動を通して得られた知見を行政や他の専門領域に提示するのが必須です。
 研究活動を媒介とすることではじめて、行政を含めて他の社会活動との連携が可能となります。

専門活動 (profession)

 専門活動は、臨床心理学の有効性を社会に説明し、活動を社会の中に位置付けていく活動です。
 臨床心理学が専門活動として社会に認められるためには、学問的専門性と社会的専門性を確立する必要があります。
 学問的専門性の確立とは、研究活動を通して、臨床心理学に関する知見を確立することを意味します。
 社会的専門性の確立とは、学問的専門性に組織、法律と規約、倫理、説明責任を加え、社会に貢献することを意味します。

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