システム・オーガニゼーション (system organization)

 実践活動の発展技能として位置付けられます。
 社会システムの中で、臨床心理学の実践活動を社会活動として組織化していく次元です。

 システム・オーガニゼーションでは、個別の問題に対応するのではく、社会技能を以って問題を社会の中に位置づけていくことが求められます。
 システム・オーガニゼーションは他の専門活動と連携し、臨床活動を社会的に組織化していく技能です。
 その例として、

  • 予防活動として心理教育やソーシャルサポートネットワークの構成を行うコミュニティ活動
  • ほかの専門機関や行政機関と協力して新たな援助システムを形成していくコラボレーションの活動
  • さまざまな実践活動を統合して臨床機関を運営する組織運営の活動

 などあります。

システム・オーガニゼーションの技能の基礎

 システム・オーガニゼーションの技能の基礎は、臨床心理学の活動を社会との関連で位置付けて行く社会意識です。それを得るためには臨床心理学の活動の全体を理解する必要があります。
 臨床心理学を全体として理解するには、

  • 臨床心理士の社会的責任および倫理
  • 他の専門領域との連携の方法
  • 各職域における活動の特徴

 などについて学習する必要があります。
 システム・オーガニゼーションの技能は、主として現場研修やインターンシップにおいて訓練されます。
 上級の臨床心理士の活動を観察学習、スーパービジョンを受けるなどをしながら、臨床現場で他の専門家と連携して実践活動をする中で培われます。
 システム・オーガニゼーションの技能訓練を通して、社会の中で実践活動をするためのコミュニケーション能力を学ぶことが必要です。

異なる専門職の間での連携

 対人援助の諸分野において、異なる専門職の間で連携・協力する行為にはいくつかの種類があります。
 ここでは、「リファー」「コンサルテーション」「コーディネーション」の違いについて解説します。

リファー (refer)

 他の適切な専門家に相談者を紹介することです。異業種間で情報交換を行いながらも援助はそれぞれの専門家が独立して行うことをいいます。

コンサルテーション (consultation)

 一方の専門化が抱える職業上の問題を他方の専門家が援助することです。 援助する側をコンサルタント、援助される側をコンサルティとよびます。

コラボレーション(協働) (collaboration)

 複数の専門家がお互いを援助しあい、利用者(援助される側の人間)への新たなサービスを構成・提供することをいいます。

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