効果研究の方法の一つです。
人を複数のグループに割り当てて、異なった介入を行い、その結果をグループの間で比較する実験です。
無作為化比較試験を行うための条件
無作為化比較試験には協力者のエントリーから、介入が終了して最終的な評価が終わるまで多くのステップがあります。そのなかで試験を行うためにはいくつもの厳しい条件をクリアしなければなりません。
無作為化比較試験を行う際に必要な条件には以下のようなものがあります。
研究計画の審査と登録
研究全体の計画は、倫理委員会の審査を受ける必要があり、また途中で不正や計画変更ができないように、しかるべき機関に研究登録を行う必要がある。
関係者はお互いに独立し、対象や割付の情報を伏せる
無作為化比較試験を上では、介入前後のアセスメントを行う者、介入を行う者、無作為割付を行う者、有害事象を管理する者といった人々が存在します。
しかし、結果への影響を排し、参加者の危険や不利益をなくすためには関係者は別の実験の各パートの関係者はお互いに独立している必要があります。
協力者が最後まで協力できること
無作為化比較試験を実施する際に、試験協力者には最後まで協力してもらう必要があります。
そのための条件には、
- 適格基準に当てはまり、除外基準にひっかからないこと
- インフォームド・コンセントを得られること
- 介入前と介入後の効果評価に参加してもらうこと
- 介入を最後まで遂行する
などが挙げられます。条件が厳しいため、実験終了後には協力者が半分以下になることは珍しくありません。
無作為化比較試験ができない場合
無作為化比較試験は臨床心理学や医学の効果研究として最高峰に位置しています。
しかし、大規模な研究チームと多額の研究費が必要です。
研究期間、研究チーム、研究費に制限がある場合には無作為化比較試験に含まれる要素をいくつか省略した研究を行います。
また多くの参加者を募ることが難しい場合、一人だけを対象として介入前後の効果を評価する方法もあります。この場合、1回だけの介入と評価では説得力が弱くなります。そのため、一度介入を中断し、その後改めて介入を加えて、効果が再現されるかどうかを再評価する方法があります。