倫理とは、専門職として自らに課すべき行動規範をいいます。
この行動規範を具体的な形で文章にしたものが倫理綱領や倫理規定と呼ばれるものです。
職業倫理を持つことには大きく2つの意味があります。
集団の構成員が一定の質を保つための自律機能を果たすため
倫理という明確な指針をもつことで、個々の専門家はプロとしてどうあるべきかを自覚し、不適切な行いを避け能力を高めることができます。
専門活動の質を外部に保証するため
職業倫理を定めることは、社会に対してどのような責任を持つのかを宣言することになります。
人々に信頼され、社会から認められることは、その集団の地位の確立と活動範囲の拡大に繋がります。それにより、より社会貢献度の高い活動が可能となります。
基本理念と倫理
臨床心理士学の専門活動の基本理念は「基本的な人権を尊重し、専門家としての能力を用いてクライエント(相談者)のためになる行いをする」というものです。
この基本理念を遂行できるように倫理は定められます。例えば、臨床場面における倫理に、秘密を守るということや、個人的な関係を持たないことがあります。これらは、「相手のためになる行いをする」という基本理念を守ることから考えれば当然のことです。
臨床心理士が守るべき倫理
詳細は「一般社団法人日本臨床心理士会倫理綱領」(PDFファイルです)を参照するといいでしょう。
「一般社団法人日本臨床心理士会倫理綱領」では以下の項目について規定されています。
- 第1条 基本的倫理(責任)
- 第2条 秘密保持
- 第3条 対象者との関係
- 第4条 インフオームド・コンセント
- 第5条 職能的資質の向上と自覚
- 第6条 臨床心理士業務とかかわる営利活動等の企画,運営及び参画
- 第7条 著作等における事例の公表及び心理査定用具類の取り扱い
- 第8条 相互啓発及び倫理違反への対応