マルセル・モースは、フランスの社会学者・文化人類学者で、デュルケムの甥にあたる人物です。彼はデュルケムを踏襲し、未開社会における宗教社会学、知識社会学の研究を行いました。
交換と贈与
モースの代表的な研究は、交換や贈与の性質に関わるものです。
未開社会では、贈与についての強制力が小さくありません。贈与を受けた場合には、必ずといっていいほどお返しが必要となります。未開社会における贈与は気まぐれなものではなく義務なのです。つまり贈与とは、一方的にするものではなく、交換の一種ともいえます。
交換のルールが社会を形成するという発想は、レヴィ=ストロースの思想に受け継がれていきます。